ラグビーのルールとは?反則や2021年改正のポイントなど解説!

2019年W杯以降、ラグビー日本代表の快進撃もあり、日本でもラグビーへの注目が高まっています。しかし、現代において実際にラグビーをプレイしたことのない方も少なくありません。

そのため、ラグビーの試合の観戦をしていて、ルールが分からない方もいることでしょう。

本記事では、ラグビーのルールや反則についてや、2021年に改正されたラグビーの新ルールについても紹介しています。

ぜひ、最後までご覧ください。

ラグビーのルール

ここでは、ラグビーの基本的なルール(人数やポジションなど)を紹介します。

基本的な得点ルールは、下記のとおりです。

  • トライ:5点
  • コンバージョンゴール:2点
  • ペナルティーゴール:3点
  • ドロップゴール:3点
  • ペナルティトライ:7点

プレイ人数

ラグビーのプレイ人数は7人、13人、15人のいずれかです。

現在ラグビーには、ラグビーユニオンとラグビーリーグという2つの種類があり、ユニオンは15人制、リーグは13人制を採用。また、それとは別にセブンスと呼ばれている7人制もあります。

ちなみに、オリンピックの採用競技となっているのは、このセブンス。そして種類によって、プレイ人数だけでなく、試合時間などルールが若干異なります。

W杯や日本のトップリーグは15人制ラグビーのため、本記事では日本のトップリーグでのルールを軸に紹介していきます。

ポジション

ラグビーのルールにおいて、プレイヤーは大きく分けるとFW(フォワード)8人と、BK(バックス)7人で構成されていますが、15人それぞれに下表のようにポジションが決まっています。

FW(フォワード)

ポジション人数概要
プロップ2人スクラム最前列で相手と対峙するポジション
フッカー1人スクラム最前列で舵取役となるポジション
ロック2人空中戦やラインアウトでのサポーティングを担うポジション
フランカー2人ボール争奪戦の主力となるポジション
ナンバーエイト1人攻守の中心的役割を担うポジションで、スクラム時には最後尾に位置している

BK(バックス)

ポジション人数概要
スクラムハーフ1人あらゆる場面において、素早いパスでゲームを展開させるポジション
スタンドオフ1人チームの司令塔
センター2人相手陣地に切り込んでいくポジション
ウイング2人スピードを活かしての得点源となるポジション
フルバック1人最後方に位置した最後の砦であり、戦況次第で攻撃に参加するポジション

試合時間

ラグビーの試合時間は、前半40分と後半40分の合わせて80分。それに、前半と後半の間にハーフタイムが設けられています。

そして、ハーフタイムは12分以内がルール。また、前半と後半にそれぞれ1分以内のロスタイムが設けられています。 

プレイルール

ラグビーでは、ボールを手に持って進んだり、前方に向かってキックして、敵側のゴールラインにトライすると、得点となります。

トライとは、敵のインゴール内の地面に、ボールをつけることを言います。キックしたボールが敵側のゴールラインに届いても得点にはなりません。

ボールを持って走ってくる敵選手を、守備側はタックルで阻止することが可能です。

そして、プレイ中に反則や競技の停止があった後は、両チームのFW8人がスクラムを組んだ状態でプレイが再開するか、フリーキックになります。もしくは、ペナルティキックでプレイが再開されることもあります。

ちなみに、ラグビーでは反則の重さでペナルティが異なっており、反則された側がペナルティから選択してプレイを再開するというルールとなっています。

また、ボールがタッチラインの外に出た際は、両チームがタッチラインから5~15m離れた場所でボールを奪い合うラインアウトで、プレイ再開となります。

2021年のルール改正

写真提供 = Quino Al / Unsplash.com

ラグビーのルールは、定期的に改正が行われています。

前回改正があったのは2017年で、アンコンテストスクラム・得点方法・服装などに関する事柄でした。また、次の改正に向けてラグビーユニオンの国際競技連盟であるワールドラグビーが、世界的試験実施ルールに関する通達を出しています。

そして、通達された世界的試験実施ルールの内容は、下記のとおりです。

50:22 

ボールを保持しているチームが自陣内からボールを蹴り、相手陣の22mラインより内側で、間接的タッチになると、その後のラインアウトではそのチームがボールを投入します。

50:22を行うためにキャリーバックをしたり、ボールを防御側の陣内にパスバックすることはできません。防御側の陣内からフェーズが始まります。

ゴールラインドロップアウト

これはインゴールで、ボールがヘルドアップとなった際に適用されるルール。

  • インゴール内で攻撃側プレーヤーがノックオンした場合
  • ディフェンダーが、自陣のインゴール内で攻撃側のキックを、グラウンディングした場合

このようなケースで、ゴールラインに沿った地点から、ゴールラインドロップアウトでプレーを再開します。

その他のルール改正

その他、新ルールではフライングウェッジの定義が見直されました。その内容は、予め3人がバインドしているミニスクラムに対して、制裁を科すことです。

そして、単独のプレーヤーによるラッチングについても改正。コンタクト前に1人だけ、プレラッチングすることが認められました。このプレーヤーは、ファーストアライビングプレーヤーのすべての要件(特に立ったままでいること)に従わなければなりません。

2021年のラグビールールの改正は、2021年8月1日以降に開始される試合・大会から適用されています。

反則

ここでは、ラグビーの反則について、下表にまとめました。

反則ルール概要
スローフォワード自分よりも前方にボールを投げた場合に、反則となります。
ノックオン前にパスしただけでなく、持っていたボールを前に落としてしまっても反則です。
オフサイドボールよりも前にいる選手が、プレイに参加すると反則になります。また、ボールを持ったプレイヤーが、自分より前方にいる味方に接触しても、アクシデンタルオフサイドという反則になります。
ハイタックルボールを持って走ってくる敵選手の肩より上にタックルすると、反則です。
ノーボールタックルタックルできるのは、その選手がボールを持っている時のみ。ボールを持っていない選手へのタックルは反則です。
ノットリリースザボールタックルされた側の反則です。タックル成立後に、ボールを離さないままでいると反則となります。
ノットストレートボールがタッチの外に出たときに、ラインアウトやスローイングで、ボールを真っすぐに投げることができなかったら反則です。
アーリーエンゲージプレイ中に反則や競技の停止があってスクラムでプレイが再開となった際、レフリーの声に合わせてスクラムを組まなかった時に取られる反則です。
ハンドスクラム及び、ラック内にあるボールを手で扱うと、反則です。

2022年1月に開幕する新リーグ

2022年から「Japan Rugby League One(ジャパンラグビーリーグワン)」という新しいリーグが開幕します。これは、トップリーグに在籍していた16チームと、トップチャレンジリーグに在籍していた8チームを合わせた24チームでおこなうリーグです。

なお、トップチャレンジリーグに所属していた「コカ・コーラレッドスパークス」は、活動を休止したため、ラグビーリーグワンには参加していません。

ラグビーリーグワンの目指すところ

ラグビーリーグワンは、世界に通用するよう日本ラグビーの「質」を向上させる目的で実施されます。

もちろん、日本ラグビーの技量を上げるだけでなく、観客がより楽しめるよう、ファンサービスの向上も目指しています。

また、ラグビーリーグワンに所属するチームそれぞれの地域が、チームを中心に結束し、発展していくことも大きな目標となっています。

ラグビーリーグワンは3部制

ラグビーリーグワンは、24チームを、1から3の「Division(ディビジョン)」に分けています。ディビジョン1が最上位で12チームが所属、次のディビジョン2には6チームが所属、ディビジョン3には6チームが所属しています。

また、ディビジョン1はさらに、「ConferenceA(カンファレンスA)」と「ConferenceB」の2つに分けられています。各カンファレンスの所属数は、それぞれ6チームです。

各ディビジョンごとにリーグ戦をおこない順位を決めます。各ディビジョンの下位3チームと、1つ下のディビジョンの上位3チームは「入れ替え戦」をおこない、次のシーズンのディビジョン所属チームが決定します。

詳しく書くと、「ディビジョン1の10~12位」と「ディビジョン2の1~3位」、「ディビジョン2の4~6位」と「ディビジョン3の1~3位」が入れ替え戦をおこないます。

ラグビーリーグワンで注目のチーム

ラグビーリーグワンで注目したいのは、埼玉パナソニックワイルドナイツです。このチームはトップリーグにおいて、プレーオフに「9回」も進出している名門。また、リーグ優勝も最多の「5回」獲得しています。

トップリーグの最終シーズンとなった2021年にも、見事にリーグ優勝しています。

そして埼玉パナソニックワイルドナイツで注目したい選手は、「マリカ・コロインベテ」です。コロインベテ選手は、現役のオーストラリア代表選手で、ナンバーワンのトライゲッターとして活躍しています。

ラグビーリーグワンでも、コロインベテ選手の豪快な得点が期待されています。

まとめ

今回は、ラグビーのルールについて解説してきました。

ルールが複雑に感じるのは、反則の種類が多く、しかも細かなルールがあるため。本記事で紹介した基本的なルールと反則を覚えておけば、ラグビーをより楽しく観戦できるでしょう。本記事でまとめた2021改正版ルールのポイントも、ぜひ参考にしてください。

(TOP写真提供 = Max Leveridge / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

世界的試験実施ルール(JAPAN RUGBY)

ラグビー競技規則[JRFU日本ラグビーフットボール協会](KISOKU 2021)

ラグビーのルールはこんなにわかりやすい~反則編~(Go to 2019)

ラグビールールについて(YOKOHAMA CANON EAGLES)

ラグビーのルールは実は簡単!4つの原則と基礎知識だけで楽しめる!(SPORTING NEWS)