バレーボールのリベロとは?ポジションの役割と必要性など解説!

試合を観戦していて、コートのなかに1人だけいるユニフォームの異なる選手が気になったことはありませんか?

その1人だけ異なるユニフォームを着用しているのは、「リベロ」と呼ばれるポジションの選手。

本記事では、バレーボールのリベロとは何か、その役割と必要性について分かりやすく紹介します。

リベロとは

リベロとは、イタリア語で「自由」という意味を持つ言葉。

リベロといえば、サッカーを思い浮かべる方もいるかもしれません。しかし、バレーボールのリベロは、サッカーのリベロとは異なり、コート内で自由にプレーできるわけではありません。次章で、詳しく解説していきます。

リベロの役割と必要性

リベロのにはどんな役割やニーズがあるのかを解説します。

リベロの役割

バレーのリベロは、守備に徹する役割のポジションです。

バレーではルール上、サーブ権を持たないチームが得点すると、ローテーションといって、時計周りに移動します。このローテーションによって前衛・後衛が変わることがありますが、主にセンタープレイヤーが後衛に行ったときに、リベロが交代して後衛に入ることがあります。

そして、リベロは常にコートに出場し続けているということではなく、ローテーションで前衛になった場合は、元の選手と交代してコートから退場します。

また、バレーでは選手の交代が認められているのは1セット6回までですが、リベロは後衛の選手となら何度でも交代することができます。

リベロの必要性

リベロのニーズについて、以下の3つのポイントを踏まえて解説します。

  • 守備サポート
  • メッセンジャー
  • 司令塔

詳しくみていきましょう。

守備でチームを助ける

センタープレイヤーのなかには、守備が不得意な選手もいます。そうした選手と交代して、守備でチームを助けるのがリベロです。自身の守備範囲以外であっても、他の多くの選手が攻撃に入れるようにするために率先してボールを取りに行きます。

メッセンジャーとしてチームを助ける

バレーボールでは、監督やコーチが選手たちに指示を出すために取れるタイムアウトの回数も決まっています。そのため、試合中に何度でも交代することができるリベロが、監督やコーチに代わって選手たちに指示をすることも多いです。また、逆にコート内の選手の状態を、監督らに伝えることもあります。

司令塔としてチームを助ける

常に後衛におり、選手の位置を常に把握しているリベロは、守備陣の位置取りに関して指示を出すことも多いです。

また、本来の司令塔となるセッターをサポートする第2の司令塔として、チームを助ける役割を担うこともあります。

リベロのルール

写真提供 = Jannes Glas / Unsplash.com

自由度の高いように思えますが、リベロだけに適用される特殊ルールも多くあります。リベロだけに適用される特殊ルールには、下記の内容が挙げられます。

  • コート内に配置できるリベロは1人のみ
  • サーブは打てない
  • フロントゾーンで前衛がオーバーハンドによりあげたボールを、ネットより高い位置からアタックしてはいけない
  • セッタープレイは禁止
  • ネットより高いところにあるボールをアタックしてはいけない
  • ブロックを試みることも禁止
  • チームキャプテンにはなれない
  • ゲームキャプテンにもなれない
  • 他の選手と異なる色のユニフォームを着用しなければならない

リベロが許されているのは、守備だけです。アタックや攻撃に繋がるセッタープレイの他、守備であっても相手の攻撃を止めるためのブロックはできません。さらに、ボールに触らなくても、ブロックを試みることも禁止されています。

そのため、フェイクでもブロックのような動作をすると反則を取られてしまいます。

また、試合中に後衛であれば何回でも交代できますが、その交代にも下記のルールがあります。

  • リベロの交代には1ラリー(得点が動く)おくことが必要
  • 再交代でコートに入るのは、交代した選手かセカンドリベロ

このように、ルールが複雑ですので注意しましょう。

リベロに向く資質とは

リベロに求められる資質は下記の4つ。それぞれの資質を詳しく解説します。

  • レシーブが得意
  • 視野が広い
  • 忍耐強い
  • バレーが好き

レシーブが得意 

リベロができるプレイはレシーブだけなので、レシーブが得意でなければリベロは務まりません。

しかも、単にレシーブで相手の攻撃を受けるのが得意というだけでなく、セッターがトスを上げやすいようなレシーブを確実にできることがポイント。セッターに向かってできる安定したレシーブ技術がある選手が向いています。

また、より多くの選手を攻撃に参加させるために、自身の守備範囲以外であっても率先して取りに行く必要もあります。そのため、幅広いディフェンス力やサーブ、スパイクに対する俊敏性も必要です。

視野が広い

味方の配置を常に把握し、どんな時でもベストのレシーブができる位置にいる必要があります。

また、視野が広いと守備陣の位置取りに関して、味方選手同士がボールを譲り合って落としてしまう「お見合い」にならないよう、的確な指示を出すことも必要です。

忍耐強い

コートにボールが落ちる瞬間まで諦めないことが重要。相手チームの力量やセンスで気圧されるようなことがあっても、精神的に強くなければなりません。そのような環境において、忍耐強い気持ちを持つことが勝利を導く1歩といえます。

背が低くてもバレーが好き 

バレーボールは背が高い方が有利なことが多いスポーツですよね。そのため、実力が同じなら背の高い選手が起用されることも多いです。

しかし、リベロは身長に関係なく実力で起用されることがあります。

背が低くて、なかなかレギュラーで試合に出られなくてもバレーが好きという方は、リベロでレギュラーを目指してみてはいかかでしょうか。

リベロの廃止論も?今後どうなる?

1998年にルールとして採用され、多くのチームが活用しているリベロですが、その現状に反して、廃止論もでています。

現在、レシーブからアタックまでこなすセンスがあるにも関わらず、身長が低いためにリベロとしてコートに入っている、という選手が多くいます。リベロがいる、ということでリベロ以外の選手のレシーブ能力の低下が生じています。
この問題を解決するためには、それぞれの選手のレシーブ能力が上がることが求められますが、それぞれの選手のレシーブ力が上がれば、チーム全体の守備能力が向上。
チーム全体の守備が良くなることは、チームとしてメリットとなることですが、チーム全体のレシーブ力を上がれば、リベロは不要に。
つまり、リベロの廃止論が上がっているのです。

ただし、今現在の状況として、リベロの廃止についての動きはないため、今後しばらくリベロが無くなる、ということは無いでしょう。

まとめ

自由という意味を持つポジションでありながら、特殊ルールが多いリベロ。そんなリベロが加わると、試合の戦略の幅が広がるといわれています。

本記事では、リベロがどのような役割を担うのか解説してきました。リベロについて深く知ることで、これまでとは一味違ったバレーボールの魅力を感じることができるでしょう。

(TOP写真提供 = ivSky / Shutterstock.com)


《参考記事一覧》

バレーボールのリベロとは?リベロの役割と意味を解説!今後ルールの廃止もある?(Activeる!)

バレーボールのリベロとは?役割や意味を解説!今後ルールが廃止される?(SPOSHIRU)

バレーボールを変えたリベロ(調整さんwith)

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