運動不足でなまった体を刺激しよう!~自宅筋トレメニューの紹介

色々な理由で運動不足になっているなあ、と感じる時に、手っ取り早い運動不足解消方法として自宅での筋トレがあります。自宅での筋トレには以下のメリットがあります。

 ・自宅での筋トレのメリット

 ①家で空き時間に手軽に取り組める

筋トレ初心者のうちは、できるだけ継続して行い習慣付けることが大切です。自宅筋トレのメリットは、空き時間に空きスペースがあれば、手軽に行えることです。

②お金がかからない

自宅筋トレは何しろお金がかからないことがメリットです。トレーニングジムの入会料や利用料にあたるものがありません。器具なども自宅にあるものを応用すれば、買わなくてもトレーニングができます。

 ③筋トレ初心者でも手軽に始められる

筋トレ初心者にとってトレーニングジムに入会しようというのは、結構高いハードルでもあるでしょう。自宅筋トレならそんなことは気にせず、いつでもどこでも筋トレが始められます。

 ④マイペースで行える

自宅筋トレでは、自分のペースで自分の負荷で行うことができます。これは自分の体と対話しながら行う、という筋トレの大切な部分にも関わってきます。無理せずにマイペースで行うことができるのは自宅筋トレのメリットです。

 ・筋トレで注意したいポイント

 筋トレを紹介するにあたって、お伝えしたい注意ポイントがあります。どんなメニューにおいても共通するポイントですので初めにお伝えしましょう。

 ①インターバル

初心者の方には毎日やるのがよいのか、週に何回するのがよいのか、ということですが、目安としては個人差はありますが、週2回〜3回から始めるとよいでしょう。毎日やる場合でも筋トレする箇所を変えたり、毎日同じ箇所をやらないことで痛みや疲労を防ぎ、バランスの取れた鍛え方ができます。

 ②回数と負荷

1回に行う回数と、どのくらいの負荷で行うのがよいかです。最初は一つのメニューを5回1セットで、3セットずつ行ってはいかがでしょうか?セット間のインターバルは30秒程度です。負荷は自分として今できる限界までやってみると効果的です。個人差がありますので少なければ増やしたり、体力的につらければ減らしたり、自分の体と対話して決めて行きましょう。

 ③鍛える箇所を意識する

体のどの部位を鍛えるかは、意識して行いましょう。漠然とトレーニングを行うよりも、このメニューは体のどの部位を鍛えるのかを意識することが、効果的に鍛えられるコツです。また、効いているかどうかを確認しつつゆっくりと行いましょう。

自宅でできる筋トレを紹介!やり方も解説

・自宅でできる筋トレには2種類

自宅でできるトレーニングには、大別して「自重トレーニング」と器具を使ってのトレーニングの2種類があります。

 ・器具を使わないで行う方法

 器具を使わないで行うトレーニングの「自重トレーニング」は、文字通り、自分の体重を利用してのトレーニングです。「お腹を凹ますプログラム」として、自宅筋トレの一例を紹介しましょう。

 ①ドローイン

床に仰向けに寝て膝を立てます。5秒間で鼻からゆっくり息を吸ってお腹をふくらませ、5秒間で口から細く息を吐きながら出し切るまでお腹を凹ませて行きます。これで1セット、5セットやってみましょう。

 ②腕上げクランチ

膝を立てて仰向けに寝ます。足裏は床につけます。3秒かけて息を吐きながら腕を伸ばしたまま浮かせて上体を起こし、おへそを見るようにします。3秒かけて息を吸いながら戻します。これで1セット、3セットやってみましょう。

 ③ダブルニーチェスト

床に仰向けに寝ます。両肩の直下で肘をついて上体を起こします。あごを引いて両足を浮かせて、足首・膝・股関節がいずれも角度が90度になるように保ちます。腰を浮かさず、膝を上体に引きよせ、元に戻す動作を10回1セット、3セット行いましょう。

 ④半身クランチ

横向きに床に寝ます。床につけた方の腕の手のひらを床に向けて伸ばします。頭と腕と足が一直線になるよう5秒間浮かせます。これで1セット、左右で3セット行いましょう。

 ⑤連続クランチ

床に仰向けに寝ます。両腕は交差させて胸の上で組み、膝を立てます。足裏は床の上につけます。足裏が浮かないように背中を丸めながらゆっくりと上体を起こします。その後ゆっくりと元に戻します。10回1セット、2セットから始めましょう。

 ⑥クロスクランチ

床に仰向けに寝ます。片方の膝を立て、立てた反対側の手を頭の下に置きます。その際に手のひらは頭の方に向けます。もう一方の手は床に向け真横に伸ばします。立てた足をおへその上まで引き上げ、上体をひねりながら起こして膝と反対側の肘を寄せてタッチします。これを1回として5回1セット、左右で2セット行いましょう。

 ・器具を使って行う方法

 器具を使って行う自宅筋トレも多くありますが、比較的行いやすい代表的な筋トレを紹介します。

①腹筋ローラー

軽量でコンパクト、手軽な価格で手に入る腹筋ローラーは、自宅筋トレの身近なパートナーとなります。基本的なメニューの「膝コロ」は、膝を床について、ローラーを前に転がし、元に戻すという運動ですが、腹筋への負荷はかなりかかりますので効果的に腹筋を鍛えられます。

 ②バランスボール

バランスボールは使い方次第で、腰回りの大きな筋肉を鍛えるトレーニングを行えます。普段は空気を抜いておけば場所も取りませんので、身近なパートナーとなります。バランスボールのスローという投げるフォームのトレーニングは、ミドル・ロー・ハイと、膝を曲げて投げるフォームの高さを変え、ボールを投げなくても、繰り返し上半身をひねる動作を行うことで、効果的に上半身の筋肉を鍛えることができます。投げるだけのスペースがあれば、バランスボールをいかに遠くに楽に投げられるかを工夫してみると、下半身も含めた筋肉を使った正確なフォームが身に付きます。

 ③ゴムチューブ

これも手頃な価格で手に入る器具ですが、使い方次第でインナーマッスルまで効果的に鍛えられます。リストカールというトレーニングでは、チューブの片側を足で踏みつけ、片側を手で持ち、リストの内旋・外旋を行うことで前腕屈筋群が鍛えられます。

 ④ペットボトル

ダンベルがなくても、水を入れたペットボトルが代わりになります。アームカールというトレーニングでは、水を入れた500ミリリットルのペットボトルを持ち、肘を曲げ下ろしすることで上腕二頭筋、上腕筋、前腕屈筋群を鍛えることができます。

 自宅での筋トレで効果を出すためには…

写真提供 = Jonathan Borba/ Unsplash.com

・筋トレの効果を高めるポイント

 ①ストレッチングの活用

筋トレを行う際には、体が温まっている方が故障も少なくなり、効果的です。また、筋トレ後のストレッチも血流を促し、疲労物質を体外へ早く排出することに役立ちます。筋トレの前後には、体全体に効果的なストレッチングを行うとよいでしょう。

 ②正確なフォームで行う

正確なフォームで行うことは、筋トレの効果を高める上で効果的です。メニューを覚えるまで始めのうちは、ひとつひとつのフォームを鏡の前で確認したり、他の人にフォームを見てもらったりして正確なフォームを覚えるようにしましょう。

 ③ゆっくり行う

動作はゆっくりと行いましょう。ゆっくり筋肉を動かすことで、筋肉の深いところまで刺激が届くことになります。急な動作や勢いをつけた動作は、故障の原因にもなりかねません。

④血行の良くなったタイミングが効果的

特に冬場の寒い日には、シャワーや入浴後の、体温が上がり血行が良くなった状態でのトレーニングをおすすめします。逆に夏場は汗をかきますので、筋トレ後の入浴がよいでしょう。

 ⑤栄養補給

筋トレを行った後は、できるだけ早い時間に筋肉の消耗を補うために、タンパク質を中心とした栄養を取るようにしましょう。運動後の45分がタンパク質摂取の最もよいタイミングと言われています。水分補給も忘れずに。

 ⑥休息時間

筋肉の「超回復」という作用があります。負荷をかけると、それを超える筋肉の回復が行われることを言います。その超回復期間は、筋トレ終了後の48時間〜72時間と言われています。筋トレを毎日でなく、週2〜3回をすすめる理由もこのことからです。ただし、毎日筋トレを行う場合でも、鍛える筋肉を変えることでバランスよく鍛えることが可能です。

 ⑦継続すること

「継続は力なり」と言われますが、筋トレには最もこの格言が当てはまるのではないでしょうか。コツコツと物事を行なっていくタイプの人には筋トレは向いています。知らないうちに鍛えられていく、という感覚です。手早く理想の体を手に入れたいと思う人ほど上手く行きません。継続の秘訣は、当面のうちは細かい達成目標を立てること。ひとつずつ達成し軌道に乗って来ればしめたものです。

自宅でできる、おすすめの筋トレメニュー

体幹を鍛える基本となる筋トレメニューです。カタカナで書くと難しそうですが、昔からある「膝の曲げ伸ばし」「腕立て伏せ」「腹筋」が体幹の基本です。正確なフォームでゆっくりと行うことで、自重だけでもかなり負荷がかかります。

 ①ドローイン

「呼吸をしながら、お腹を凹ませる」というシンプルながら効果的なトレーニングです。立ったままで行うには、足を肩幅に開いて立ちます。5秒間で鼻から息を吸ってお腹をふくらませます。5秒間で口から細く息を吐きながら、お腹の空気を全て出し切るようにお腹を凹まして行きます。腹直筋、腹横筋、腹斜筋に効きます。仰向けに寝て膝を立てて行うこともできます。

 ②スクワット「膝の曲げ伸ばし」

両足を揃えて(ナロー)または左右に広げて(ワイド)真っ直ぐに立ち、腰に両手を添えます。上半身は肩甲骨を寄せて胸を張ります。背中を丸めないように膝を曲げお尻を後ろに突き出します。膝はつま先より前に出ないように意識します。ゆっくりと膝の角度が135度(クォーター)になるまで曲げて元に戻します。

③プッシュアップ「腕立て伏せ」

両手を肩幅よりも多少開いて床につき、うつ伏せの状態になります。手のひらは胸のラインに置き、両足を揃えて真っ直ぐに伸ばします。かかとから頭までを一直線にするように真っ直ぐ保ち、肘を体が床スレスレになるまでゆっくり曲げて、ゆっくり元に戻します。つらい場合は、膝を床についての腕立て伏せから始めるとよいでしょう。

 ④シットアップ「腹筋」

床に仰向けになり、両膝を揃えて曲げて立てます。両腕を肩幅の広さで天井に伸ばし、手のひらは向かい合わせます。ゆっくりと反動を使わずに上体を起こし、ゆっくりと元に戻します。両膝の立てる角度を大きくすることで難易度はアップします。

 ・メニューの組み立て方のヒント

 上記メニューを毎日行うのでしたら、①は毎日、下半身運動の②と④を初日に行ったら、上半身運動の③を2日目に、1日休んでまた下半身運動、というようなプログラムから始めるのがよいでしょう。

まとめ

自宅でできる筋トレのメニューについて、自宅筋トレのメリットや注意点、自宅筋トレのプログラムの一例と、おすすめの筋トレメニューを紹介しました。

 プログラムの作り方ですが、個人のやりたい目標を立てて、その目標に合わせた筋肉を鍛えるメニューを選んで行きましょう。スポーツ選手であれば、それぞれの種目で重要となる筋肉をトレーニングするプログラムが、パフォーマンスアップによいでしょう。

 小さい負荷から大きい負荷へ、が筋トレの基本です。また、個人差がありますので、自分の普段の運動量に合わせて、多く活動した日は筋トレの負荷を減らす、活動が少なかった日には筋トレを増やすなどの負荷を変えていくことも必要になります。

 筋トレはなかなか外面的な効果が現れにくいもので、少なくとも外面的な変化には3ヶ月程度かかります。地道に続けていくと、体の内側からもよい変化が現れますので、結果を焦らず、体と対話しながら続けるようにしてみてください。

(TOP写真提供 =bruce mars/ Unsplash.com)


《参考記事一覧》

【筋トレ初心者向け】自宅でできる筋トレメニューを紹介 (森永 かんたん、分かる!プロテインの教科書)