ふだん何気なく食べているお米ですが、一体どれくらいのカロリーがあるか、気になったことはありませんか?
この記事では、お米が含んでいるカロリー量について解説します。また、白米と玄米では、含まれている栄養素がどのように違うのかについても説明します。
お米一合のカロリーってどのくらい?
お米一合のカロリーを知る前に、まず「一合」という単位について考えてみましょう。合は、日本で古くから使われていた「容量」を表す単位で、一般的な単位に変換すると、一合は約「180ミリリットル」となります。
ちなみに、一合の10倍が「一升」、一合の100倍が「一斗」、一合の1,000倍が「一石」、そして一合の400倍が「一俵」となっています。
米一俵が60キログラムと決められていますので、一合の米は150グラムとなります。ただし、一合の容器で測った場合、米の乾燥具合や品種によって、重さが150グラムから前後することがあります。
米一合150グラムのエネルギーは、「約537キロカロリー」となっています。
・米一合は茶碗で考えるとどのくらい?
炊く前の米一合は150グラムですが、炊きあがると水分を吸収して300~350グラム程度にまで重くなります。
茶碗にご飯1杯は、だいたい150グラムですので、米一合は茶碗2杯分ぐらいとなっています。
そのため、1食分の白米のカロリーは、約268キロカロリーとなります。
白米と玄米ではどう違うのか
「玄米」は、稲の種から「もみ殻」だけを取り除いたものです。この玄米からさらに、「胚芽」「ぬか(果皮・種皮・糊粉層)」を取り除くと、ふだん食べている「白米」になります。
精米後に残った部分である「胚乳」は、エネルギーの塊であり、その他の栄養素はほとんど含んでいません。
精米時に取り除く、ぬかと胚芽は、量的にはわずかですが、その少ない分量にさまざまな栄養素を秘めています。
ただ玄米はボソボソとして食べにくいため、少しだけ精米したものも販売されています。「3分づき」「5分づき」「7分づき」といったお米がそれで、分の数が多いほど白米に近づいていきます。
・白米と玄米の成分表
文部科学省がまとめている「日本食品標準成分表2015年版」によると、白米(うるち米)と玄米の栄養素は、それぞれ次のようになっています。
栄養素 | 白米 | 玄米 |
エネルギー | 358キロカロリー | 353キロカロリー |
タンパク質 | 6.1グラム | 6.8グラム |
脂質 | 0.9グラム | 2.7グラム |
炭水化物 | 77.6グラム | 74.3グラム |
カリウム | 89ミリグラム | 230ミリグラム |
カルシウム | 5ミリグラム | 9ミリグラム |
マグネシウム | 23ミリグラム | 110ミリグラム |
リン | 95ミリグラム | 290ミリグラム |
鉄 | 0.8ミリグラム | 2.1ミリグラム |
亜鉛 | 1.4ミリグラム | 1.8ミリグラム |
マンガン | 0.81ミリグラム | 2.06ミリグラム |
ビタミンE | 0.1ミリグラム | 1.4ミリグラム |
ビタミンB1 | 0.08ミリグラム | 0.41ミリグラム |
ナイアシン | 1.2ミリグラム | 6.3ミリグラム |
これらは、白米、玄米それぞれ100グラム中にどのくらいの栄養素が含まれているかを示しています。
・玄米は白米よりミネラルやビタミンが豊富
エネルギーと炭水化物の項目は、白米の方がわずかに多いのですが、その他の成分はすべて玄米の方が多くなっています。
よく玄米の方がヘルシーと言われますが、実はカロリー的には白米とほとんど同じです。しかし、玄米の方が白米より「ミネラル類」や「ビタミン類」が多いため、健康のためには玄米の方が良いと言われているのです。
ただし、ミネラルやビタミンだけではなく、「脂質」も玄米の方が多いことには注意してください。玄米には、白米の3倍の脂質が含まれています。
ダイエット中のお米の摂りかた、コツもご紹介!

ダイエット中はお米は厳禁、と思っている人もいるかもしれませんが、実はそうではありません。
食物に含まれるエネルギーには、おもに「炭水化物」「脂質」「タンパク質」の3つがあります。
白米は、エネルギー源である「炭水化物」の塊です。しかし炭水化物は、体を動かした時に消費されやすい、という特徴があります。
そのため、毎食おかわりなどして、必要なエネルギーよりも多く摂取しない限り、体重は増加しません。
より問題なのは、肉や油などに多く含まれている「脂質」の方です。脂質は体を動かしても、なかなか消費されないため、ぜい肉として体重増加につながりやすい成分となっています。
・食物繊維が多いものから食べる
お米は炭水化物(糖質)の塊ですので、お腹が減っている時に食べてしまうと、「血糖値」が急激に上昇してしまいます。血糖値が上がると「インスリン」が分泌され、糖質が「脂肪」に変わってしまいます。
これを避けるためには、まず「食物繊維」を多く含むものから食べていくことです。「野菜」や「海藻」には食物繊維が多く含まれていますので、これらの料理を先に食べてから、お米を食べましょう。
・よく噛んで食べる
肥満になりやすい人の特徴として、よく噛まずに早食いする、というものがあります。
「満腹中枢」は、食事をはじめてから15~20分たたないと働きません。早食いだと、満腹中枢が働く前に食べすぎてしまうため、太りやすくなります。
また、よく噛んで食べると「自律神経」が刺激され、消化機能が活発に動き出します。噛まずに食べると、自律神経への刺激が弱くなってしまいます。
ですから、ごはんを食べる時は、少量ずつ口に運び、ゆっくりよく噛みながら食べるのが痩せるコツです。
・栄養のバランスを取る
痩せたいからといって、ごはんなどの糖質を制限するのは、体にかかる負担が大きく、さまざまな問題が出てきます。かといって、ご飯だけを食べるのもよくありません。
食事の献立は、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」「ミネラル」「ビタミン」「食物繊維」の6大栄養素をバランスよく取れるものにすることが大切です。
脂質を取りたくないからといって、肉や魚などを制限してしまうと、体に不調をおこす可能性が高くなります。
問題なのは取りすぎてしまうことですので、適量づつ摂取する分には大丈夫です。
まとめ
米一合は150グラムで、約537キロカロリーのエネルギーがあります。お茶碗1杯分だと、268キロカロリー程度です。
白米と玄米では、含まれているエネルギーはほとんど同じです。ただし、玄米の方がミネラルやビタミンが多く含まれています。
ダイエットをしている時は、野菜や海藻から食べ始め、ご飯は少量づつよく噛んで食べるようにしましょう。
(TOP写真提供 = Markus Winkler / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
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