サーフィン初心者が知っておくべき4つのルール!道具の選び方も解説

サーフィンは、2021年に開催された東京オリンピックに新競技として採用されました。その東京オリンピックでは、男子の部で五十嵐カノア選手が銀メダルを取る活躍を見せました。

その五十嵐カノア選手や、金メダルを取ったイタロ・フェレイラ選手の、バッドコンディションにも負けない華麗な波さばきを見て、サーフィンをやりたくなった人も多いのではないでしょうか。

この記事では、初心者に向けて、サーフィンのルールや道具の選び方、練習方法について解説します。

初心者に知っておいて欲しいサーフィンのルール

サーフィンはスリリングで楽しいスポーツですが、同時に、気を抜くと大怪我をしかねないリスクもある競技です。そのため、次のような基本的なルールをしっかり守ってプレーしましょう。

  • 1つの波に乗っていいのは1人だけ
  • 波の頂点に近い人に優先権がある
  • 波に乗っている人の前方から立ち上がるのは禁止
  • 沖に出る時は周囲に注意する

では、これらのルールについて詳しく見ていきましょう。

1つの波に乗っていいのは1人だけ

どこの国でも共通のルールとして、「ワンマン・ワンウェイブ」というものがあります。これは1つの波に対して、1人だけがボードに立ち上がって(テイクオフ)、波に乗れる(ライディング)というルール。

これは、事故を防ぐための基本的な取り決めです。ただし、「三角波」の場合は2人までテイクオフ可能です。なぜなら、三角波は頂点から「左右両側」に向かって同時に崩れていく波だからです。

そのため、三角波の場合だけは「レギュラー」と「グーフィー」に、それぞれ1人ずつテイクオフできます。ちなみにレギュラーは、岸から見て「左側」に流れる波を意味し、グーフィーは「右側」の波を意味します。

ライディングの優先権はピークに近い人にある

ワンマン・ワンウェイブの法則はわかってもらえたと思いますが、波のそばに幾人もがいた場合に、誰がテイクオフできるかを決めておかないと混乱が起きます。

このライディングの優先権(プライオリティ)を持つのは、もっともピークに近い人です。ピークというのは、波が盛り上がって崩れ始める「頂点」を意味しています。

以前は先にテイクオフした人が優先されるという取り決めもありましたが、現在ではピーク優先が常識になっています。

波に乗っている人の前でのテイクオフは禁止

ピークに近い人がライディングを始めた前方で、別の人がテイクオフするのはルール違反です。この前乗りは「ドロップイン」と呼ばれています。

ドロップインは、走っている自動車の前に、車間距離も取らずに強引に横入りするような行為です。マナー違反なのはもちろん、ピーク側にもドロップイン側にも衝突の恐れがある危険な行動となります。

ただ、波を待っている間に周囲のテイクオフをすべて確認するというのは、なかなか困難です。そのため、誤ってドロップインしてしまうことは誰しもありえます。その場合は、相手に謝って「波乗りを中断(プルアウト)」しましょう。

沖に出る時は周囲に注意する

波に乗るために、まずサーフボード上で、腕で水をかいて(パドリング)沖に出(ゲッティングアウト)ます。その際は、ライディングしているサーファーに十分注意しましょう。

ライディングの進行方向の線上(ライディングライン)に向かってパドリングをすると、衝突の恐れがあるため、避けなければなりません。

基本は、サーファーの後ろ側を抜けるようにしましょう。後ろ側を通るということは、崩れる波にぶち当たりやすくなるということですが、安全のためにも我慢してください。

どうしても間に合わないようなら、ボードごと海に潜って(ドルフィン・スルー)避けるべきですが、初心者には難しいテクニックです。なるべく周囲を警戒して、ライディングと接触しないコースでパドリングしましょう。

また、他にゲッティングアウトしている人が近くにいる場合、縦1列に並んでパドリングするのは危険です。波の影響で衝突しないよう、横に位置をずらしてパドリングしてください。

サーフィン初心者向けの道具と選び方

写真提供 = NICO BHLR / Unsplash.com

サーフィンをするのに最低限必要な道具は、次の4つです。

  • サーフボード
  • ウエットスーツ
  • リーシュコード
  • ワックス

では、それぞれの道具について詳しく見ていきましょう。

サーフボードは3種類ある

サーフィンをするならサーフボードが必要ですが、最初から購入しなくてもかまいません。初めのうちは、お店でレンタルしたサーフボードでも十分ですが、何度も楽しみたい方は、自分専用のものを購入しましょう。

サーフボードには、以下の3種類があります。

  • ロングボード
  • ファンボード
  • ショートボード

ロングボードが1番大きく、3メートルほどの長さがあります。大きい分安定感は抜群で、素人でもボードの上に立ち上がりやすくなっています。

ショートボードは、2メートル以下の長さの小さいサーフボードです。小さいだけに取り回しがよく、波の上を自在に動き回れます。しかしロングボードに比べて安定性は欠くので、初心者には、テイクオフするのも一苦労です。

ファンボードは、ロングボードとショートボードの中間の長さです。性能も両者の中間となっています。

ウエットスーツは3ミリのフルスーツから買うのがおすすめ

たとえ夏でも、長時間水に浸かり続けていると体が冷えます。そのため、基本的にはどの季節でもウエットスーツを着用します。

最初に買う時は、3ミリのフルスーツがおすすめです。3ミリの厚さで全身を覆うウエットスーツなので、年中使うことも可能です。

冬には温かい「セミドライ」を、夏には動きやすい「スプリング」か「タッパー」を用意すると、より快適にサーフィンを楽しめます。

リーシュコードは新品で丈夫なものがおすすめ

「リーシュコード」は、サーフボードと自分の体を結びつける綱です。これが無いと、サーフィン中にサーフボードが、どこかに飛んでいって、他のサーファーにぶつかってしまう危険性があります。

また、リーシュコードが無いと、ゲッティングアウトした時にサーフボードが流され、自分だけが沖に取り残されるといった事故も起こりかねません。

このように、リーシュコードは大事な命綱ですので、ケチらず新品で丈夫なものを購入しましょう。

ワックスで滑り止めをする

ワックスも、サーフィンに欠かせない道具の1つです。滑り止めの役割があるため、サーフボードに塗らないと、立ち上がるのが非常に困難です。

海に入る日には、毎回ワックスを塗り直しましょう。また、ワックスは水温ごとに適した製品が用意されていますので、海に入る季節に合った製品を買ってください。

初心者向けの練習方法やコツ

サーフィンの基礎は、なんといっても「パドリング」です。

テイクオフするには、波の速さと合った速度のパドリングをしなければいけないため、ゲッティングアウトする時や、波に乗る時には、バドリングがとても重要になってきます。

パドリングを上達させるためには、実践練習が1番です。最初は、ボードの上で腹ばいになることですら、難しく感じるかもしれませんが、何度もチャレンジして手で水をかく感覚をつかみましょう。

パドリングがある程度できるようになったら、次に難関になるのは「テイクオフ」。これも実際に海で、反復練習をするのが上達への近道です。

いきなり沖に出る必要はありません。最初は、岸に近い足がつく場所で、小さな波を相手に練習しましょう。波打ち際なら、パドリングで沖に移動する手間が省けます。

ここなら、初心者以外のサーファーは来ないので、他の人の邪魔になることを気にせず練習できます。ただし、初心者サーファーが多く来る海の場合は、波打ち際のあたりが混雑することもあります。

テイクオフする時のコツは、以下の2つ。

  • 強い波を選ぶこと
  • 波と速度を合わせること

波が崩れて「白い波」が立つような、パワーの強い波がテイクオフに適しています。また、パドリングで波の速度についていかないと、立ち上がった後に波に置いていかれてしまいます。

パドリングとテイクオフがうまくできるようになれば、すぐにライディングも上達していくはずです。

まとめ

サーフィンには、「ワンマン・ワンウェイブ」「ピーク優先」「前乗り禁止」「ライディング優先」といったルールがあります。ルールに外れたサーフィンをすると、怪我をする危険性が高まります。

サーフィンに最低限必要なのは、「サーフボード」「ウエットスーツ」「リーシュコード」「ワックス」の4つ。品質にもよりますが、10万円から20万円程度で揃えられます。

サーフィンは、繰り返し実践練習をするのが上達の近道です。特にテイクオフは、波に乗る感覚を掴むのが重要ですので、浅瀬で何度も練習しましょう。

(TOP写真提供 = Jeremy Bishop / Unsplash.com)


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