女性が腹筋を鍛える方法【縦線をキレイにいれる筋トレも紹介】

連日のテレワークやおうち時間が多くなり、お腹のたるみが気になる方は多いのではないでしょうか?女性の場合は男性と違ってお腹の脂肪が落としにくい身体の構造になっているため、引き締まった腹筋を手に入れるためには工夫が必要です。

今回は、女性が縦線のキレイにはいった腹筋を手に入れるために必要な知識や、オススメの腹筋トレーニングを紹介します。

女性の腹筋を鍛えるコツ

女性が腹筋を鍛える上でまずは正しい知識を得ることが大切です。ここでは、腹筋の部位ごとの特徴とトレーニングの際に意識することを解説します。

腹筋の各部位ごとの役割を理解する

お腹周りの筋肉は大きく分けて3種類あります。部位と役割を正しく理解し意識することで筋肉により刺激がいき、トレーニング効果が高まります。

腹直筋

1番外側にあるのが腹直筋です。体の正面にあり、胸の下からヘソのあたりまで上下に長く広がっています。縦に1本、横に2本の白い線が入って分かれており、腹直筋が大きくなることで分かれ目の溝が深くなるため、腹筋が割れて見えてきます。

外腹斜筋・内腹斜筋

外腹斜筋・内腹斜筋は、腹直筋の内側にある筋肉です。外腹斜筋は肋骨下の脇腹あたりから斜めにヘソ側に下がっていくように筋肉が走っており、その一層内側にある内腹斜筋は胸の中心側から腰骨に向かって付着しています。

横から見るとX型のように交差しているこの2つの筋肉が協力し合うことで、体にねじれの動きを生んでいます。外腹斜筋や内腹斜筋を鍛えることでくびれができ、体のシルエットがキレイになります。

腹横筋

さらに内側、いわゆるインナーマッスルのひとつが腹横筋。お腹全体を大きく囲むようにできている筋肉で、菱形のエプロンのような形をしています。この筋肉がコルセット代わりになって、体がぶれないように支えてくれます。

腹横筋を鍛えることでせきやくしゃみなどがしっかり出やすくなったり、深い呼吸がしやすくなるなど、日常生活にもメリットがあります。

それぞれの筋肉を正しく鍛えることにより、引き締まった体に近づくことができます。筋トレの際は鍛えている筋肉を意識したり、実際に触って刺激を与えたりするなどして、より効果を高めていくことが大切です。

女性は腹圧を意識することがポイント

女性は、トレーニングをする際に「腹圧」を意識しておこないましょう。腹圧とは、腹腔内圧の略称。胃や腸が筋肉などで囲まれている空間である腹腔は、横隔膜や腹横筋などの収縮によって圧力を高めることができます。腹圧が高いことでいくつかのメリットがあります。

トレーニング効果がアップ

理由は、腹圧が高いことで姿勢が安定し、無駄な力が入らなくなるから。エネルギーを正しく使うことができ、トレーニングの効果が高まります。普段から無意識に足を組んだりすぐ横になりたがる人は腹圧が低い場合が多いので、後で紹介する腹圧を高めるトレーニングをおこない、自身の体重をしっかり支えられるようになりましょう。

ぽっこりお腹の解消

腹圧が低いと内蔵を支えきれず、内臓が本来の位置よりも下にきてしまいお腹が出ているように見えてしまいます。腹圧を高めることで内蔵を正しい位置に保つことができれば、ぽっこりお腹がなくなり、キレイなシルエットを手に入れることできます。

便秘の改善

便秘の原因のひとつに、腹圧の低さがあげられます。便を排出する際には腹圧をつかって便を体の外に出すのですが、腹筋が弱いと腹圧がかけられず便秘になってしまいます。便秘が続くとそれ自体がお腹が出る原因となりますが、それに加えて腸の栄養吸収率も下がるので、結果として皮下脂肪が蓄積されるという負の連鎖がうまれます。

腹圧を高めることで、内側から整った体を作ることができます。

腹筋の縦線をキレイにいれるには…

写真提供 =Szabolcs Toth / Unsplash.com

前項で、腹筋の各部位ごとの役割や、腹圧を意識する必要性について説明しました。実は、腹筋の縦線をキレイにいれるためには、下腹部の体脂肪を落とす必要があります。ここでは、その理由と、体脂肪を効果的に落とすポイントを紹介します。

下腹部の体脂肪を落とす必要がある

腹筋周りの筋トレをするだけではお腹の縦線を手に入れることはできません。なぜなら、お腹周りの筋肉を覆っている皮下脂肪が多ければ、せっかくの溝も浮き出てこないから。

そもそも皮下脂肪とは、外部からの刺激や衝撃を守ったり、断熱・保温の働きをする役割があるので、体の脂肪のなかでも落ちる優先順位が低いといわれています。大切な体を守る役目があるので、簡単に脂肪が落ちないようになっているからです。

男性に多い内臓脂肪はエネルギーとして使われやすいので、運動などで比較的落ちやすいと言われていますが、女性が皮下脂肪を落とすのは、少し時間がかかることを頭に入れておきましょう。

この皮下脂肪をじっくりと落としていくために、腹筋周りの筋トレ以外に以下のようなことを取り入れていくことをオススメします。

全身の筋力トレーニング

全身の筋肉量を増やし、基礎代謝をあげることが大切です。前ももやお尻を鍛えるスクワットや、上半身のトレーニングである腕立て伏せなど、週2〜3回、大きな筋肉を中心に全身の筋力トレーニングをおこないましょう。

この際も腹圧を意識すれば、効果もあがりお腹にも刺激がいくので一石二鳥です。

有酸素運動

ランニングやウォーキング、プール施設での水中歩行などの有酸素運動を取り入れましょう。1回10分程度でも構わないので毎日継続しておこない、体全体の脂肪を燃焼していくことが大切です。

腹筋トレーニングと並行していくことで、徐々に体が安定していくため、歩くときの姿勢が良くなったり、ジョギングの際に呼吸が乱れなくなったりと二次的な効果も期待できます。

食生活に気をつける

筋肉をつけるために、また余分な脂肪を摂らないためにも、食生活を見直しましょう。食事を抜くなどの極端な制限は必要ないので、栄養バランスを意識することが大切。タンパク質を多く摂り、脂質を少なくするように気をつけるだけで徐々に脂肪はつきにくくなります。

筋トレや有酸素運動により消費カロリーが摂取カロリーを上回るようになれば、お腹周りの脂肪も徐々に落ちていき、筋肉がついて引き締まった体を手に入れることができます。

女性の腹筋・おすすめの筋トレメニュー

最後に、腹筋を引き締めるトレーニングと、腹圧を高めるトレーニングを紹介します。

このトレーニングによって腹筋に刺激を入れ、並行して全身のトレーニングや有酸素運動によって脂肪を燃やし、皮下脂肪燃焼までたどりつきましょう。

①レッグレイズで腹直筋を鍛える

  1. 脚をまっすぐに伸ばして仰向けに寝ます。
  2. 手は腰の横に伸ばして置いたまま、両脚を床から浮かせます。
  3. そのまま足の裏を天井にむけるまでまっすぐあげ、体をL字型にします。
  4. あげきったらゆっくりと姿勢を戻しますが、脚はギリギリ床につけずに浮かせましょう

POINT:息を止めずに深い呼吸を意識しましょう

※1〜4を10回繰り返す

②トランクツイストで腹斜筋を引き締める

  1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
  2. 両手を合わせて肘を伸ばし天井にむけます。
  3. 両手を伸ばしたままゆっくり右側へ体を捻っていき、45度の角度まで動かします。
  4. ゆっくり天井に戻したら左側の45度までまた両手を移動させましょう。

POINT:体の側面の筋肉がねじれていることを感じながらおこないましょう

※1〜4を10回繰り返す

③ドローインで腹横筋を刺激し腹圧を高める

  1. 両膝を立てて仰向けに寝ます。
  2. お腹を膨らませながら5秒かけて大きく息を吸います。
  3. 膨らませきったら、5秒かけてゆっくりと息を吐きながらお腹を凹ませます

POINT:しっかりとお腹を上下させることに意識を集中させましょう

※1〜4を10回繰り返す

上記の①〜③を1セットとし、1日3セットを目安におこないましょう。

まとめ

お腹を縮める腹筋トレーニングばかりしてきてなかなか成果が出なかった人は、ぜひ全身の筋力トレーニングや有酸素運動、日常生活で腹圧を意識することをオススメします。

女性が縦線のキレイにはいった腹筋を手に入れるためには時間がかかりますが、これらのトレーニングは女性ならではの悩みや不調を改善し、内側から健康になることができますので、無理せず楽しみながらトレーニングをおこなっていきましょう。

(TOP写真提供 = Jonathan Borba  / Unsplash.com)


《参考記事一覧》

内臓脂肪と皮下脂肪、体脂肪の違いとは?原因とそれぞれの落とし方(株式会社ルネサンス・ダイエットコラム)