来年1月から3月に『HALF TIME Global Academy』第3期がいよいよ開講。これまで1ヶ月・4コマだったアカデミーは、今回から3ヶ月・12コマに拡充される。スポーツビジネスを一層網羅的に、そして変わらずグローバルで活躍するビジネスパーソンから直接学ぶアカデミーについて、学長を務める中村武彦氏(Blue United Corporation President & CEO)とHALF TIME代表の磯田裕介に聞いた。(聞き手はHALF TIMEマガジン編集長の山中雄介)
オンラインのアカデミー「根本的に画期的」
――これまでの第1期、第2期を振り返っていかがですか。
磯田裕介(以下、磯田):初回の第1期は約20名、第2期は約50名の受講生を迎えました。第2期は学生・ビジネスパーソンだけでなく、現役・元プロスポーツ選手にも参加いただき、広がりを見せています。実際にビジネスの現場で働く「現役講師」から、最先端のスポーツビジネスを知れるという点が好評ですね。このコロナ禍、オンラインで気軽に講義を受けられるというのも大きな魅力になっています。講義はライブ視聴だけでなく、後日アーカイブも提供するため、講義の予定時間に別の予定が入ってしまったケースでも講義内容を学べます。
中村武彦(以下、中村):パンデミックが起きてZOOMなどを用いたテレビ会議などがメインストリームとなったり、我々の行動形態が変わりました。そういう中で今までであれば海外のビジネスシーンを見たり感じたりするためには物理的に移動をしないといけなかったり、そもそもアポ取りの障壁が高かったりしたものが、アカデミーを通して文字通り世界中のスポーツビジネス現場の最前線にリモートでアクセスできる。これは講義内容もそうですが、根本的に画期的なことではないかと感じています。
――第3期は3ヶ月・12コマと大幅に拡大します。その背景とは?
中村:最終的には学位が取得できるような通年の「学校」を目指す磯田さんのビジョンに対して、段階を踏んで少しずつ試行錯誤を繰り返して来ました。第1期、第2期は1ヶ月4コマでスタートし、次はそこで得たフィードバックをもとに拡大バージョンに進めることが可能になったと感じています。特に講義内容と講師のプロデュースに関しては皆で議論を重ねたので、バランス良く意図を持って組んでいます。3ヶ月という期間は長く感じるかもしれませんが、週に一回ですし、夜に開催しているので、お仕事などを終えて帰宅してもまだ間に合うのも、無理なく受講できるポイントではないかと思います。
新たな講義トピックも追加
――プログラムの見どころについて伺います。まずは1月、チケットセールス、スポンサーシップ、スポーツマーケティング、そしてテクノロジーとスポーツと、スポーツビジネスの根幹を成すトピックとなります。
中村:1月は、八村塁選手が所属するNBAのワシントン・ウィザーズが最近日本でも積極的に活動をしていますので、その話が聞けたらと思います。また最近画期的な放送テクノロジーを導入し、フォートナイトのコンサートで話題を呼ぶなどしたKiswe Mobile社からは、新型コロナの影響でますます「視聴体験」の向上が脚光を浴びる中、その傾向に関して聞けるのではと期待しています。
――2月はコミュニケーション&メディア、代理人ビジネス(スポーツ法務)というアカデミー初登場の科目も提供されます。
中村:講義を編成する上で何を話してほしいかなどこちらの監修を加えたり、今までにあまり聞いたことのない分野も取り入れようと腐心していますが、「コミュニケーション」と「法務」はこれから日本でも広がっていく分野ではないかと注目をしています。スポーツ法務では私のロースクールの同窓生で、現在ブラジル代表主将のチアゴ・シルバ選手のアドバイザーである講師が登場します。
また、コミュニケーションのおかげでMLSのファン層が他のメジャーリーグよりも若い理由や、受動的ではなく能動的な広報活動――ビジネスコミュニケーションを展開する重要性に関して解説してもらうことを、自分の元同僚であるショーン・デニソン氏(シカゴ・ファイアーFC)にお願いしています。
――3月は放映権、チケッティング、アナリティクスについて米オハイオ大学の講師陣と、NBAミルウォーキー・バックスで働くその卒業生が登壇しますね。
中村:スポーツマネジメントという概念がアカデミックに大学で教え始められたのは1960年代とまだ新しいものですが、アメリカで初めてスポーツマネジメントの学部を創設したのがこのオハイオ大学です。スポーツマネジメントランキングでも常に世界でトップ10にランクインしている名門校ですね。今回の提携は非常に意義深いものですし、教授陣から原理原則を聞けることはそうそうはない機会ですので、私自身もとても楽しみにしています。
海外事例を「自分に落とし込むきっかけに」
――次回の受講を検討している方々に、メッセージはありますか。
中村:本アカデミーは、コロナ禍だからこその新しいタイプの講義だと思っています。自宅やリモートでインターネットに接続するだけで、スペイン、アメリカ、ブラジル、オランダなどのスポーツビジネス現場で活躍をしている人とつながることができてしまう。しかも通訳までついているので言語的なハードルも低くなります。普通4カ国にまたがって12名の海外の人と打ち合わせをリアルにしようと考えたら、移動、準備、アポの手配も含めるととても実現できません。
質疑応答をしないともったいないような環境とも言えます。受講生には、「何か教えてくれ」という姿勢や、「海外はすごいな」と感心するだけではなく、「海外ではそうなのか、それでは日本ではどうだろうか?自分の所属する団体ではどうだろうか?」と落としこむきっかけにしてもらうことが、より良い学びになると信じています。
磯田:コロナ禍で直近の業務に悪影響がある方も当然いらっしゃるとは思いますが、この環境下でもすべてのビジネスパーソンができることは、長期的に理想のキャリアを構築するために何が必要かを考え、学ぶことです。コロナ禍でも学びを止めずに、ぜひ将来への投資をして、多くの方々に更なるキャリアアップをしてほしいと思います。
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『HALF TIME Global Academy』第3期はいよいよ1月7日(木)に開講。申込は公式Webサイトより。