家でもできる基礎的なトレーニング方法に、「腕立て伏せ」があります。ただ腕立て伏せをするだけでも効果はありますが、「プッシュアップバー」を使うと、より効率的に体を鍛えられます。
この記事では、プッシュアップバーの使い方や、どんな筋肉に効くかを解説します。また、どんなプッシュアップバーが欲しい時にどんなものを選べばよいのか、という説明もしていきます。
プッシュアップバーとは?使い方を解説!
「腕立て伏せ」は、英語では「プッシュアップ(push-up)」と呼ばれています。このプッシュアップトレーニングをより効率的におこなうための補助アイテムが、「プッシュアップバー」です。
プッシュアップバーは、「コ」の字型の器具で、コの字の縦棒の部分を「グリップ」として握って使います。
プッシュアップバーの使い方
基本的なプッシュアップは、両手の手のひらを地面に付けておこないます。プッシュアップバーを使う場合は床に置き、グリップの部分を握って体を支えます。
両手でそれぞれを掴むため、2個を1セットとして使用します。
プッシュアップバーを使うメリット
プッシュアップバーを使うことには、次のような3つのメリットがあります。
- 手首を怪我する危険性を減らせる
- より高負荷なトレーニングができる
- 可動域が増加して鍛えられる部位が増える
1.普通のプッシュアップの場合、手首が腕と90度に曲がった状態で、自身の体重がかかってきます。そのため、鍛え初めの人や体重が重い人は、プッシュアップで「手首を痛めてしまう」危険性があります。
プッシュアップバーを使うと、拳での腕立て伏せのように手首を曲げずにできるため、手首への負担を大きく減らせます。
2.普通のプッシュアップでは、体を下げられる限界は床ギリギリまでです。しかしプッシュアップバーを使うことで、手の部分が床から浮き上がります。そのため、自分の手の位置よりも体を沈める動きが可能になります。
このように上下の移動幅を増やせば、それだけ高負荷なプッシュアップをおこなえるようになります。
3.プッシュアップバーを使うと体の上下移動幅が増えますが、これは高負荷という効果以外に、使う筋肉の種類を増やすことにもつながります。そのため、普通のプッシュアップよりも、より「広範囲の筋肉」を刺激することができます。
また、プッシュアップバーを置く位置や使い方によって、さまざまな筋肉を鍛えられるようにもなります。
プッシュアップバーはどの部位に効果があるの?
プッシュアップバーを使うと、次のような部位が鍛えられます。
- 大胸筋
- 三角筋
- 上腕三頭筋
- 広背筋
プッシュアップバーを肩幅にセットするとバランス良く鍛えられる
プッシュアップバーを肩幅の位置に、ハの字を描くように置くのが基本的な使い方です。このポジションでプッシュアップをすると、「大胸筋」「三角筋」「上腕三頭筋」などをバランス良く鍛えられます。
このトレーニングをする時は持ち手よりも低い位置まで、しっかりと胸を沈めるのがコツです。
プッシュアップバーの位置を狭めると腕も鍛えられる
置く位置を肩幅よりも狭めると、上腕三頭筋を始めとした「腕」の筋肉を鍛える効果が強くなります。
このトレーニングは、腕に負荷がかかる分、肘への負担も大きくなりますので、肘を痛めないように注意しておこなってください。
プッシュアップバーの位置を広くすると大胸筋を集中的に鍛えられる
逆に、肩幅よりも広い位置に置いてプッシュアップをおこなうと「大胸筋」への負荷が大きくなります。大胸筋を集中的に鍛えたい場合は、ポジションを大きく開く方法が適しています。
リバースプッシュアップで広背筋も鍛えられる
普通のプッシュアップとは、逆向きにプッシュアップバーを使う方法もあります。この方法なら、「広背筋」も同時に鍛えられます。
まず、肩幅よりも少し広いポジションでプッシュアップバーを置きます。次に体育座りの姿勢になり、後ろ手でグリップを掴みます。腕に力を入れてお尻をあげます。その後、体の上下運動を繰り返します。
負荷が少ないと感じるなら、ヒザを曲げずにまっすぐ伸ばしてリバースプッシュアップをおこなってもかまいません。
どんな商品を選べばいい?選ぶポイントやおすすめをご紹介!

プッシュアップバーを買うなら、次のようなポイントに注意しましょう。
- 値段
- グリップ部分
- 設置部分
- 材質
では、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
試しに使うのなら安いものでもよい
プッシュアップバーは、「メーカー」や使われている「素材」によって、数百円から数千円と、かなりの値幅があります。
筋トレなどが長続きしたことがない、という人や、とりあえずどんなものか試したい、という人はいきなり高額なプッシュアップバーを買っても無駄になってしまう可能性があります。
そのため、最初は安いものを買って試してみる、というのは悪い方法ではありません。ただし、しっかりとトレーニングを続けようと考えている人は、少し高くても、頑丈で長持ちするプッシュアップバーを買うことをおすすめします。
グリップは握りやすく滑りにくいものを
プッシュアップバーを使う場合、グリップ部分の握りやすさが大切です。グリップ部分がフィットしないと、トレーニングに集中できません。
また、手への負担を和らげるためにも、ゴムやスポンジなどの柔らかいグリップのものがおすすめです。
他に、トレーニング中は汗をかくため、濡れても滑りにくいグリップを選ぶというのも重要です。
設置部分は安定感が高いものを
トレーニング中にプッシュアップバーがズレたりすると、トレーニングになりませんし、怪我をしてしまう危険性もあります。
そのため、プッシュアップバーはしっかりと自分の体重を保持してくれる、安定感のあるものを選ばなくてはいけません。
下に「吸盤」がついたものや、プッシュアップバーを差し込む「板」がセットで売っているものなど安定性を高めた商品もありますので、比較検討してみるとよいでしょう。
自宅トレーニングなら頑丈なものを
自宅でプッシュアップトレーニングをしたいなら、頑丈な「金属製」のものが適しています。多少値段が高いかもしれませんが、長持ちするため、結果的にはお得です。
外出先でもプッシュアップをしたいという人は、軽いプラスチック製を選ぶと持ち運びなどにも便利でしょう。ただし、プラスチック製のものは、使用中に破損するおそれがありますので、その点には注意してください。
まとめ
腕立て伏せをしたい場合、プッシュアップバーを使うとさまざまなメリットがあります。手首への負担が減って怪我の危険性を減らせますし、上下運動の範囲が広がってより負荷の高いトレーニングがおこなえます。
またプッシュアップバーは、広めのポジションなら「胸」、狭いポジションなら「腕」など、置く位置によって、どの筋肉を重点的に鍛えるかも変化させられます。
プッシュアップバーを買う時は、「持ち手」がフィットし、「設置部分」が安定しているものを選びましょう。
(TOP写真提供 = Jonathan Borba / Unsplash.com)
《参考記事一覧》
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